院長のブログ

がん細胞とATP・ADP

がん細胞の働きをどのようにすれば抑制できるかを知るためには、
まずがん細胞のなかで、どのような代謝が行われているかを理解する必要があります。
がん細胞は急速に増殖するために、正常な細胞よりもはるかにエネルギーを
必要としています。
細胞のエネルギー代謝を知るために、ATP(アデノシン三リン酸)と
ADP(アデノシン二リン酸)という言葉を
これから使っていくので、簡単に説明します。

ATPは、生物の体内の物質代謝において
「生体のエネルギー通貨」と呼ばれています。
私たちが日常生活でモノを手に入れたり、使ったりするときに、
お金が必要なのと同じように、細胞の中でも代謝を行うために
通過としての役割をしているのがATPです。
ATPはリン酸3分子が含まれており、
ADPはリン酸2分子が含まれていて、
そのリン酸が結合したり分離したりすることによって、
エネルギーの代謝が行われています。
下の図のように、リンが3個付いている状態と、2個の状態に変化することで
エネルギーの放出が行われています。

ATPの生産は、解糖系とミトコンドリアで行われていますが、
このことについては次回から説明します。
今回は、ATPがエネルギーを生み出す物質であることを理解して
いただければ結構です。

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