院長のブログ

ミトコンドリア(その1)

ミトコンドリアは、細胞の中にある器官で、二重の脂質の膜からできています。独自の遺伝子(ミトコンドリアDNA;mtDNA)を持っており、ミトコンドリア自身が分裂、増殖をしています。
前回の項でも説明しましたが、ミトコンドリアの主な機能は、酸素呼吸(好気呼吸)でエネルギー物質ATPの合成をすることですが、それ以外にも生命現象にとって重要な機能もいくつか持っています。
例えば、細胞自身に異常な変化が生じた場合、その存在を消去するアポトーシスという現象を引き起こします。
解糖系でATPが合成された結果、ピルビン酸が合成されるということを前回説明しましたが、このピルビン酸がミトコンドリア内に運ばれて、TCAサイクルや電子伝達系の反応に組み込まれます。
その他、様々な機能をもっています。
今回は、ミトコンドリアの形が細胞の中でどのような姿をしているのか理解していただければ結構です。
以下の画像をご覧ください。

9がミトコンドリア
典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁)、(2) 細胞核、(3) リボソーム、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7) 微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12) リソソーム、(13) 中心体

ミトコンドリアの構造
1.内膜 2.外膜 3.クリステ(平板状) 4.マトリックス

ミトコンドリアの電子顕微鏡写真。マトリックスや膜がみえる

ヒトにおいては、肝臓、腎臓、筋肉、脳などの代謝の活発な細胞に数百、数千個のミトコンドリアが存在し、細胞質の約40%を占めている。平均では1細胞中に300-400個のミトコンドリアが存在し、全身で体重の10%を占めている。

上記の画像は、ウイキペディアから引用しています。

次回は、がんとミトコンドリアの関係についてお話しします。

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